テアニン含有量をランキングで理解しよう!茶種別相場と増やす淹れ方実践

deep-green-sencha お茶の健康と成分
お茶のやすらぎ成分として知られるテアニンは、茶種や栽培、淹れ方で含有量が変わります。
「どのお茶に多いの?」と気になったときは、ランキングの見方と前提を押さえると納得感が高まり、日々の一杯を目的に合わせて選びやすくなります。
この記事では、テアニン 含有量 ランキングの考え方、茶種別の相場感、増やすための抽出ポイント、摂取の目安までを実用目線で整理します。

  • 同じ茶種でも品種・被覆・収穫時期で差が出ます
  • 抽出条件(葉量・湯温・時間)が数字を大きく動かします
  • ランキングは「傾向」をつかむ道具として使いましょう

テアニン 含有量 ランキングの考え方

まずは「なぜその茶種が上位になりやすいのか」を理解します。前提が腹落ちしていれば、数字が違って見える研究やメーカー公表値に出会っても迷いにくくなります。
被覆栽培(直射を遮る)・早摘み・芽が多いなどの条件は、テアニンを保ちやすい方向に働きます。

概念ランキング(傾向) 理由のざっくり要約
玉露・抹茶(てん茶) 被覆で日光を遮り、テアニンがカテキンへ変わりにくい
かぶせ茶・上級煎茶(一番茶) 短期被覆や若芽中心で、うま味アミノ酸が残りやすい
煎茶(標準)・深蒸し 等級や蒸し加減で幅が大きい(バラつきも多い)
番茶・茎茶・ほうじ茶・玄米茶 成熟葉や焙煎、ブレンドで相対的にテアニンは低め
注意 具体のmg表示は、測定方法・試料・抽出条件で大きく変わります。同一条件で比べた「傾向」をつかむのが実務的です。

被覆が上位をつくる

テアニンは日光でカテキンへ代謝されやすい性質があり、覆いをかけると相対的に残りやすくなります。玉露やてん茶(抹茶の原料)が上位を占めがちな背景です。

若い芽と一番茶のアドバンテージ

若い芽ほどアミノ酸が豊富です。特に一番茶の上級規格は、テアニンをはじめとするうま味系の積み上がりが期待できます。

焙煎・ブレンドの影響

ほうじ茶や玄米茶は香りの魅力が大きい反面、材料と工程の性質上、テアニンの相対値は低めに出る傾向があります。

抽出条件で順位が入れ替わる

同じ茶でも低温・短時間でうま味優先、高温・長時間で渋み優先と、バランスが変わります。ランキングを自分の淹れ方に当てはめて考えることが大切です。

「mg」の差より「選び方と淹れ方」

細かなmg差より、被覆系を選ぶ・低温でうま味を引く、といった手順の方が体感差に直結します。ランキングは方向づけとして活用しましょう。

  1. 被覆・若芽・等級を見る
  2. 低温抽出でうま味を優先
  3. 普段の淹れ方に合わせて傾向を読む

茶種別の相場と幅をつかむ

ここでは茶種ごとの「相場感」と、上振れ・下振れ要因を簡潔に整理します。表は方向性を示すもので、個々のブランドやロットで幅がある点に留意します。

茶種 テアニン相場感 上振れ要因 下振れ要因
玉露 最上位 長期被覆・一番茶・若芽比率 被覆期間短縮・低等級
抹茶(てん茶) 最上位 被覆・碾茶品質・石臼挽きの細かさ 原料の等級差・大量生産品
かぶせ茶 上位 短期被覆・上級等級 被覆なし混用・二番茶中心
上級煎茶(一番茶) 中上位 芽の若さ・浅蒸し・やぶきた以外の甘香系 深蒸し過多・古葉比率
煎茶(標準) 中位 選別良・火入れ穏やか 等級低・ブレンド強め
番茶・玄米茶・ほうじ茶 下位 香りは豊か(別軸の楽しみ) 成熟葉・焙煎・希釈ブレンド
ヒント 茎茶はカフェインが相対的に控えめな反面、テアニンの印象も穏やかです。就寝前は湯温をより低くするとバランスがとれます。

玉露・抹茶が上位のわけ

被覆で日光を遮ると、アミノ酸が渋みへ変換されにくく、うま味が前面に出ます。上位に位置づけられるのはこの構造が大きいからです。

かぶせ茶・上級煎茶は次点の厚み

短期被覆や若芽主体の設計で、甘み・うま味が乗りやすく、価格と満足のバランスが取りやすい帯域です。

番茶・焙じ系は香りの魅力で選ぶ

テアニン指標だけで見れば下位ですが、香ばしさや軽さは代えがたい価値です。目的に応じて使い分けましょう。

品種・被覆・収穫時期が左右する

同じ「煎茶」でも、品種や被覆、摘採時期でテアニンの印象は大きく変わります。選ぶ際はラベルの情報から手がかりを拾いましょう。

品種の個性

うま味寄り(甘香傾向)の品種は、低温抽出でテアニンの印象がぐっと前に出ます。ブレンドでも主役の品種で雰囲気が変わります。

被覆の有無と期間

数日〜数週間の被覆は、うま味保持に寄与します。期間が長いほど傾向は強まりますが、香りや価格とのトレードオフも意識しましょう。

早摘みか、二番茶以降か

一番茶の若芽中心なら、同価格帯でもテアニンの体感が上がりやすいです。二番茶以降は渋みが勝ちやすく、抽出設計の工夫が効きます。

  1. ラベルで品種と被覆の有無を確認
  2. 一番茶表示・等級の目安を見る
  3. 香りとのバランスで価格帯を決める
メモ 「単一畑」「単一品種」は個性が読みやすく、淹れ分けの効果検証にも向いています。

抽出条件でテアニンの体感を上げる

同じ茶葉でも、抽出の設計次第でテアニンの感じ方は大きく変わります。低温・多葉・短時間が基本の方向性です。

湯温の基準

テアニンを前に出したい日は低めの湯(目安60

〜70℃帯)でスタートします。香りを立てたい日は段階的に温度を上げます。

葉量と時間

普段より葉をやや多めにして、時間は短めに。二煎目以降は少しだけ温度を上げ、うま味と香りのバランスを整えます。

器と動かし方

急須は薄手よりもある程度の熱容量がある方が温度が安定します。揺すりすぎは渋み側が出やすいため、静かに注ぎ切ります。

  • 60〜70℃から始め、段階的に調整
  • 葉は気持ち多め、時間は短め
  • 静かに注ぎ切り、香りは二煎目で伸ばす
ベンチマーク うま味優先の初回は60〜70℃・60〜90秒、二煎目は70〜80℃・30〜60秒を起点に調整すると違いが掴みやすいです。

摂取の目安とシーン別の考え方

日々の摂り方は、シーンと体調に合わせて「少しずつ、心地よく」を大切にします。カフェインとのバランスも意識すると整いやすくなります。

日中の集中と夕方のリラックス

日中は上級煎茶を低温で、夕方はかぶせ茶・玉露の薄出しを少量ずつ。香りを強く出す日は、カフェインの出やすい設計を避けます。

カフェインとの付き合い方

テアニンはカフェインの体感をやわらげる方向に働くといわれます。夜は湯温をさらに下げ、二煎目以降を短くすると穏やかです。

体質・服薬との相性

体調や服薬状況に個人差があります。気になる場合は少量からはじめ、専門家のアドバイスを活用しましょう。

  1. シーンに合わせて茶種と温度を調整
  2. 夜は低温・短時間・少量を意識
  3. 体調と相談しながら続ける

同じ銘柄でも、温度と時間を少し変えるだけで印象が一変しました。テアニンを主役にすると、日々の一杯がやさしく整います。

目的別の選び方と淹れ分け

最後に、目的別の具体提案です。テアニンを軸に、香りやタイミングとのバランスをとりましょう。

目的 茶種の方向性 抽出の起点
深いリラックス 玉露・かぶせ茶 60〜65℃・60〜90秒・静かに注ぐ
仕事中の穏やかな集中 上級煎茶 65〜70℃・60秒・二煎目はやや温度↑
夜の読書や就寝前 かぶせ茶薄出し・茎寄りブレンド 60℃前後・短時間・少量を複数回
  • 被覆系を中心に据えるとブレが少ない
  • 香りを足したい日は二煎目で調整
  • 湯冷まし・茶器の保温で再現性が上がる

まとめ

テアニン 含有量 ランキングは、玉露・抹茶が上位、かぶせ茶・上級煎茶が次点、番茶や焙じ系は相対的に低めという「傾向」を読み解く道具です。
被覆・若芽・一番茶といった前提、そして湯温・時間・葉量という抽出の三要素をそろえれば、数字の違いに振り回されずに体感を高められます。
今日の気分と時間帯に合わせて、茶種と淹れ方を少し調整してみましょう。うま味が前に出た一杯は、気持ちをやさしくほぐしてくれます。